この記事は、マネーフォワード クラウド会社設立を使って株式会社の会社設立を自分で進めていて、定款認証の手数料がいくらになるのか分からないまま次の画面に進めずにいる人に向けて書いていて、会社設立の費用を扱う他の記事では「定款認証には数万円かかる」とだけ触れられていることが多く、実際に自分のケースでいくら払うのか、金額がどのように決まるのかまでは分からないという声をよく見かけます。ここでは日本公証人連合会の案内をもとに、この手数料が資本金額と発起人の要件によってどのように4段階に分かれるのか、手続きをどこで行うのか、マネーフォワード クラウド会社設立の画面ではどこまで自分で操作できるのかを、公式情報と一次情報を突き合わせながら整理します。
定款認証とは何か?会社設立で公証人の確認を欠かせない理由
株式会社を作るときに用意する定款は、公証人の認証を受けて初めて効力を持つとされており、会社法30条は、定款が公証人の認証によって効力を生じること、そして認証後の書面は株式会社の成立前は原則として変更できないことを定めています。この条文はデジタル庁のe-Gov法令検索で2026年8月21日に確かめました。マネーフォワード クラウド会社設立を使って書類一式を組み立てても、公証人による確認という工程を飛ばすことはできません。
認証を担うのは、法務大臣から任命され、全国の公証役場に配置されている公証人です。株式会社の設立を自分で進める場合、発起人が作った定款案を窓口に持ち込む、またはオンラインで嘱託し、記載内容に不備がないかを公証人に確かめてもらう流れになります。合同会社を設立する場合はこの手続き自体が不要で、株式会社との違いとしてよく挙げられる部分です。
認証が済むと、書面は登記申請にそのまま使える正式な効力を持った状態になります。逆に言えば、認証を受けていない定款のままでは法務局への設立登記の申請書類として使うことができません。定款には会社の目的や本店の所在地、出資される財産の価額など会社設立の骨格となる情報が記載されており、認証はこの骨格を法的に確定させる最初の関門にあたります。この確認には対価としての手数料が発生し、金額は会社ごとに異なります。次の項目で、その内訳を具体的に見ていきます。


手数料は一律ではない|資本金額・発起人要件で決まる4段階
定款認証手数料は、すべての会社に同じ金額がかかるわけではありません。日本公証人連合会の案内によれば、資本金の額等と発起人の要件の組み合わせにより、1万5,000円・3万円・4万円・5万円という4段階に分かれています(2026年8月21日確認)。この段階構造こそ、会社設立の費用を自分で見積もるときにまず押さえておきたいポイントです。ここでいう資本金の額等とは、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額を指し、定款に記載する金額そのものが基準になります。
大まかな分かれ目は、出資される財産の価額等の水準によって3つに分かれます。100万円に届かない層、100万円台から300万円の手前までの層、300万円を超える層という区分です。さらにこの区分のうち一番低い層だけは、発起人の人数や取締役会設置の有無という追加の条件が重なって金額が変わります。次の項目で、それぞれの条件を具体的に見ていきます。
どの段階に当てはまるかは、資本金額を固める作業と定款の内容を詰める作業の両方に関わってきます。会社設立を自分で計画する人ほど、金額を確定する前にこの分かれ目を知っておくと、費用の見通しを立てやすくなります。


1万5,000円になる条件|発起人3人以下など3つの要件
4段階のうち最も低い1万5,000円が適用されるのは、資本金の額等が100万円未満であることに加え、次の3要件をすべて満たす場合です。(1)発起人の全員が自然人であり、その数が3人以下であること、(2)定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載があること、(3)定款に取締役会を置く旨の記載が無いこと。この条件は、公証人手数料令第35条第1号(令和6年政令353号による改正後)に基づき、令和6年12月1日から適用されています(日本公証人連合会、2026年8月21日確認)。
ひとりで会社を興すケースの多くは、発起人が1人で自然人であり、その1人が株式のすべてを引き受け、取締役会を置かない小さな体制を選ぶため、この3要件を満たしやすい傾向にあります。反対に発起人が法人だったり4人以上いたりする場合、あるいは設立当初から取締役会の設置を予定している場合は、この安価な層の対象から外れます。
なお経過措置として、電子定款は登記・供託オンライン申請システムでの受付処理時、紙の定款は窓口での受付時が令和6年11月30日以前だった案件には、改正前の旧手数料が適用されます。これから手続きを始める人であれば、基本的にこの改正後の枠組みだけを確認すれば足ります。過去に見積もりを取った経験がある場合でも、令和6年12月1日以降に嘱託する案件はこの新しい基準で再確認しておく価値があります。


3万円から5万円になる場合:資本金額ごとの分かれ目
出資額が100万円未満であっても、前の項目で挙げた3要件のどれか一つでも欠けていれば3万円の区分になります。この金額は令和4年1月1日から適用されており、改定前は一律5万円だったものが引き下げられた経緯があります(日本公証人連合会、2026年8月21日確認)。発起人が複数いて役割分担を検討している場合や、当初から取締役会を置く予定があるときは、こちらの区分に該当しやすくなります。
続く層として、100万円以上300万円未満なら4万円、300万円に達していれば5万円という区分になり、令和4年1月1日から変わっていません。事業の見通しから資本を厚めに用意する会社ほど、上位の層に位置づけられます。株式会社である以上、認証そのものが不要になる合同会社のような扱いにはなりません。会社設立にあたって資本金額をどこまで厚くするかは、事業計画そのものとも関わってくるため、手数料の段階だけを基準に決める話ではありません。
マネーフォワード クラウド会社設立が示す費用比較表などで「1.7万円」という数字を目にすることがありますが、これはあくまで目安として示された一例です。実際の金額は資本金額等と発起人まわりの条件によって、ここまで示した4つの層のいずれかに当てはまる形で確定します。予算を組む段階では、この目安の数字だけで判断せず、自社がどの層に該当するかを先に見極めておく必要があります。


電子でも金額は変わらない|印紙代の節約とは別の話
電子定款を選ぶと収入印紙4万円が不要になるという話は広く知られていますが、これは定款認証手数料とは別枠の節約です。紙で作った定款は印紙税法上の課税文書にあたり4万円の収入印紙が必要になる一方、電磁的記録である電子の書面には印紙税がかかりません。公証人による確認という工程そのものは、書式が紙でも電子でも同じように求められ、支払う額の4段階も選び方とは無関係に決まります。
つまり書式の選択によって浮くのは印紙代4万円の部分に限られ、出資額と発起人の要件で決まる1万5,000円から5万円までの部分は、紙・電子いずれを選んでも同じように発生します。この2つを混同すると、電磁的な書面にすれば確認の対価まで下がると誤って理解してしまいがちです。
会社設立の費用を自分で試算するときは、印紙代の有無と、この4段階の金額を別の項目として並べて計算しておくことになります。見積もりの段階でこの2つを一本化して考えてしまうと、電子を選んだのに想定より請求額が高いという食い違いが生まれやすくなります。次の項目では、この支払いをどこで行うのかを確認します。


手続きの場所はどこでもよいわけではない|本店の所在地が決め手
手続きを行う窓口は、どこでも自由に選べるわけではありません。公証人は自身が所属する法務局の管轄区域内でのみ職務を行えるため、これから設立する会社の本店所在地に対応した都道府県内の公証役場でしか受け付けてもらえません。日本公証人連合会は都道府県ごとに窓口の一覧を案内しており、この一覧から本店所在地に対応する場所を確かめられます(2026年8月21日確認)。
所在地をまだ迷っている段階で窓口を先に決めてしまうと、あとで住所を変更した際に管轄が変わり、予約をやり直すことになりかねません。自分で会社設立を計画する場合は、本店の所在地をある程度固めたうえで対応する窓口に連絡する順序にすると、手戻りを避けやすくなります。
多くの窓口では、書面の内容を事前にメールやファックスで確かめたうえで来訪日を決める運用が取られています。予約の要否や方法は場所ごとに異なるため、対象となる公証役場のページで個別に確かめておく必要があります。予約なしで訪れると、当日中に手続きが終わらず出直しになるケースもあるため、初めて窓口を利用する場合は、公証役場のページに掲載された電話番号やメールアドレスから事前に連絡しておく工程が欠かせません。マネーフォワード クラウド会社設立では、この住所は会社情報入力という入力画面で発起人が記入する項目のひとつで、ここで固まった住所をもとに窓口を選ぶ順序になります。本店の所在地の確定は、会社設立全体のスケジュールを左右する工程のひとつでもあります。


マネーフォワードの定款の受け取り場所の選択画面で進める手順
マネーフォワード クラウド会社設立には定款の作成方法の選択という画面があり、電子と紙のどちらで進めるかをここで選びます。続く定款の受け取り場所の選択の画面では、認証を受ける窓口を自分で指定します。この2つの画面の存在は、マネーフォワードの公式ヘルプページで2026年8月21日に確かめました。
マネーフォワードが用意しているのは書類の組み立てまでで、窓口とのやり取りや支払いは、指定した場所から発起人が自分で受け取る形になります。電子の書面であれば行政書士から電子データで届く場合もありますが、確認そのものを受ける窓口でのやり取りは自分の手で行う必要があります。この点は、マネーフォワードが自動で完結させてくれる範囲と、発起人自身が動く範囲との境目にあたります。
支払い方法は場所によって現金のみのところもあれば、事前振込に対応しているところもあります。株式会社を自分で設立するなら、指定した窓口に支払い方法を先に確認しておくと、当日の受け取りがスムーズに進みます。手数料そのものの支払いとは別に、定款作成費用のお支払いの画面では電子定款の作成費用をマネーフォワードの提携先へ振り込む案内もあり、この2つの支払い先を取り違えないよう区別しておきたいところです。書面を受け取ったあとは、出資金の入金という画面に案内が進み、資本金の払い込みという次の工程に移ります。会社設立の手続きの中でも、この認証まわりのやり取りは公式ヘルプだけでは流れがつかみにくい部分であり、事前に窓口へ連絡しておくと当日の受け取りが滞りにくくなります。


まとめ|定款認証手数料を自分で見積もるときの手順
定款認証手数料は一律の金額ではなく、出資額の3つの区分と、発起人が全員自然人で3人以下であることなど3つの要件の組み合わせにより、1万5,000円・3万円・4万円・5万円の4段階に分かれます。まず資本金額を仮に決め、発起人の人数や取締役会の設置予定を整理すれば、どの段階に当てはまるかを事前に見積もれます。
あわせて、電子の書式で浮くのは収入印紙4万円の部分であり、この4段階そのものは選び方に関わらず発生すること、そして手続きを行う窓口は本店所在地に対応した公証役場に限られることも押さえておきたい点です。この2点を取り違えたまま予算を組むと、会社設立の総額が想定より膨らんで見えたり、逆に窓口探しでつまずいたりする原因になります。マネーフォワード クラウド会社設立は定款の受け取り場所の選択という画面で窓口の指定までは自分で行えるようにしてくれますが、実際に足を運んで手数料を支払い、認証済みの書面を受け取る工程は発起人自身の役割として残ります。この受け取りまでの日程を資本金の払い込みや登記申請のスケジュールとあわせて組んでおけば、会社設立の残り工程を自分の手で見通しやすくなります。


