この記事は、マネーフォワード クラウド会社設立で株式会社の登記を自分で終えたものの、次に何をすればよいか分からず手が止まっている人に向けて書いています。登記が完了した時点で会社設立の作業がすべて終わるわけではありません。法務局・税務署・自治体・年金事務所・銀行という複数の窓口へ、それぞれ違う期限で届出や申し込みを自分で進める工程が続きます。マネーフォワードの画面が用意してくれる範囲と、窓口まで足を運ぶ範囲を、提出先ごとに整理しました。
登記を終えたら、まず何を確認するか
マネーフォワード クラウド会社設立で会社設立の登記書類一式を作成し、法務局へ提出したあとは、画面上に表示される登記完了予定日を過ぎたかどうかをまず確認します。この日を過ぎると、会社の内容は登記事項証明書という形で誰でも取得できる状態になり、この書面が以降の届出や口座開設で共通して求められる基本の証拠書類になります。マネーフォワードの公式ヘルプによれば、この段階で画面は「設立後の手続き」というStep3の案内に進み、それまでの入力内容をもとに、年金事務所・税務署・都道府県税事務所へ提出する書類の下書きが自動で用意されます。
この会社設立の作業は、書類一式の完成でゴールになるわけではありません。画面が作ってくれるのは下書きまでで、窓口へ持参・提出する行動、そして証明書そのものの取得は、ここから自分で動く工程です。マネーフォワードを使って会社を設立した直後は、法務局・税務署・自治体・銀行など、ここまでに挙げた複数の窓口へ、別々の期限で対応することになります。それぞれの窓口で何を、いつまでに自分で進めるのかを、次のセクションから順番に見ていきます。税務署分は概要にとどめ、提出先と期限を並べた一覧は後半に置きました。
会社設立の直後は本業の準備でも忙しくなりがちですが、Step3の画面はあとから何度でも見返せます。窓口の順番や必要な通数は、1日で全部を終わらせようとせず、期限が近いものから自分のペースで手を動かせば十分間に合います。


法務局で受け取る2つの証明書
登記完了予定日を過ぎたら、会社の所在地を管轄する法務局へ足を運び、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)と、実印を登録した印鑑証明を受け取ります。窓口のほか、郵送請求や、法務局のオンライン申請システム「登記・供託オンライン申請システム」からの請求にも対応しており、いずれの方法でも手数料がかかります。証明書は1通だけでは足りず、税務署・自治体の窓口・銀行など複数の提出先でそれぞれ原本を求められることが多いため、必要な通数をまとめて請求しておくと窓口を何度も往復せずに済む計算になります。
銀行が法人口座の開設時に求める証明書には、発行から6か月以内のものという条件を付けている例があります(三菱UFJ銀行の案内より、2026年8月21日確認)。取得のタイミングが早すぎると、口座開設の段階で有効期限切れになる場合があるため、いつ何通を自分で取得するかは、この先の手続きの順番から逆算して決めておくとよい判断材料になります。なお、実印は設立準備の段階で用意したものであり、登記後に新たに必要になるのは、その印影を登録した証明そのものの取得です。印鑑の準備と証明の取得は、時期の異なる別の工程として進みます。この証明書を郵送で請求する場合は、法務局の窓口で即日受け取るよりも手元に届くまで時間がかかります。余裕をもって早めに請求しておくと、法人口座の開設や税務署の届出の予定を崩さずに済みます。

税務署に出す届出は何を、いつまでに
税務署には、法人設立届出書のほか、青色申告承認申請書、給与を支払う場合は給与支払事務所等の開設届出書といった複数の書類を提出します。法人設立届出書の提出期限は設立の日以後2か月以内、給与支払事務所等の開設届出書は開設の事実があった日から1か月以内、青色申告承認申請書は設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了日とのいずれか早い日の前日までです(いずれも国税庁の案内より、確認日2026年8月21日)。3つとも起算日と期限の長さが異なるため、まとめて1回で片づく話ではありません。青色申告の承認を受けると、欠損金の繰越控除など税務上のメリットを受けられるため、この申請書を期限内に出すかどうかは多くの会社が検討する項目です。
この記事では期限の位置づけだけを整理し、各届出書の様式・記入項目・添付書類といった詳しい書き方までは扱いません。窓口へ出す書類そのものを1つずつ具体的に確認したい場合は、当サイトの「会社設立後 税務署」カテゴリーの記事で、様式ごとにより詳しく取り上げています。マネーフォワード クラウド会社設立のStep3画面でも同じ届出書の下書きは作成されますが、内容の最終確認と提出そのものは自分で行う工程です。窓口へ持参するか、e-Taxなど国税庁のオンライン申請を使うかも、会社設立の担当者が自分で選べる部分です。

都道府県・市区町村にも、別の届出がいる
税務署とは別に、会社の所在地を管轄する都道府県税事務所と市区町村役場にも、法人設立に関する届出をそれぞれ別の様式で提出します。国税である法人税の窓口が税務署であるのに対し、法人住民税・法人事業税といった地方税の窓口は自治体であり、そもそも管轄が違います。国の窓口だけで済ませたつもりになり、この届出を後回しにしたまま失念してしまう例が起きやすい部分です。
提出期限や添付書類は自治体ごとに定められており、東京都であれば都税事務所、それ以外の道府県であれば道府県税事務所と市区町村役場という組み合わせになるなど、窓口の名称や様式は所在地によって変わります。具体的な期限・様式は、会社の所在地を管轄する自治体の公式サイトで、法人設立に関する届出のページを確認してください。国税がe-Taxで電子申告できるのと同様に、地方税の届出もeLTAXによるオンライン提出に対応する自治体があります。マネーフォワードの画面はこの自治体向けの書類も下書きとして用意しますが、提出先の呼び方まで自動で調べてくれるわけではなく、名称の確認は自分で行う作業として残ります。マネーフォワードで会社設立を進めた場合でも、自治体への届出という工程そのものが省略されるわけではありません。画面が用意する下書きを持って、自分で窓口に出向く点は、紙の書類だけで進める場合と変わりません。

東京都創業NET(東京都)を参照。
年金と社会保険の届出を自分で動かす
株式会社は、日本年金機構の案内する厚生年金保険の適用事業所にあたり、代表者一人だけの会社であっても、法人である以上は原則としてこの適用対象に含まれます(日本年金機構「適用事業所と被保険者」、2026年8月21日確認)。ただし、実際に被保険者となるのは法人から労務の対償として報酬を受けている役員に限られるという通知(昭和24年7月28日付、旧厚生省保険局長通知)があり、設立直後でまだ役員報酬額を決めていない会社は、この時点では加入手続きの対象になりません。
役員報酬をいくらにするかを自分で決定した時点で、年金事務所への新規適用届・被保険者資格取得届などの提出に取りかかります。加入手続きは報酬額の決め方や届出の流れまで含めて情報量が多いため、この記事では概要にとどめ、詳しくは当サイトの「会社設立 社会保険」カテゴリーの記事で扱っています。なお、設立して間もない時期は、報酬額を0円のまま据え置く会社も少なくありませんが、その場合はこの届出自体がまだ始まらない、という点を押さえておくと段取りを組みやすくなります。

法人名義の銀行口座を開く
法人名義の口座は、登記が済んで証明書を取得できる状態になってから申し込む段取りになります。審査が始まる前の段階では、この証明書自体がまだ発行されないため、口座を開く申し込みそのものができません。三井住友銀行が公式に案内する必要書類の例では、登記事項証明書、代表者の印鑑証明、定款の写し、法人番号通知書等が挙げられています(三井住友銀行の案内より、2026年8月21日確認)。必要書類・部数・様式は金融機関ごとに異なるため、実際に開設する銀行の公式ページで最終確認をしてください。
マネーフォワード クラウド会社設立の画面では、登記完了後の案内の中で、この口座の開設や、経理・給与計算といったバックオフィスツールの利用開始もあわせて紹介されます。とはいえ審査そのものは各銀行が行うものであり、この手続きだけは画面の中で完結しません。申込書を用意し、窓口やオンラインで自分の手続きとして進めることになります。マネーフォワードで会社設立を終えた直後は複数行を比較検討する時間が取りづらいため、必要書類が確認できた段階で早めに申し込みへ進むと、その後の経理業務の開始も前倒しできます。


提出先ごとに、期限をまとめて見る
ここまでの提出先と期限を並べると、最も短いのは税務署への給与支払事務所等の開設届出書で、開設の事実があった日から1か月以内です。法人設立届出書は2か月以内、青色申告承認申請書は設立3か月経過日と第1期の事業年度終了日のいずれか早い日の前日までと、書類ごとに起算日も長さも違うため、すべてを1回で片づけようとすると最も短い期限に間に合わなくなるおそれがあります。自治体側の提出、年金まわりの届出も、税務署とは別の窓口・別のタイミングで動く手続きです。
優先順位をつけるなら、まず給与を支払う予定があるかどうかを早めに判断し、該当すればその届出から着手します。あわせてその届出書と自治体側の書類を進め、口座開設は証明書が手元に届いた段階で申し込みに移る、という順番が実務上は動きやすい流れです。社会保険は役員報酬の金額を自分で決めた時点が起点になるため、報酬額の検討自体を後回しにしないことが、遅れを防ぐ具体的な工夫になります。会社設立の直後にすべてをまとめて片づけようとするより、期限が短い順に1つずつ淡々と進めるほうが、結果として窓口を回る回数も少なく済みます。


自分で全部進める場合と、専門家に任せる範囲の分担
マネーフォワード クラウド会社設立のStep3画面は、入力済みの情報から届出書類の下書きを作成するところまでを担っています。実際の提出や口座開設の申し込みという行動そのものは、自分で行う設計です。下書きの作成は画面に任せられる範囲、窓口への提出・銀行での面談・証明書の取得は自分の足で進める範囲という切り分けは、会社設立の登記が終わったあとも変わりません。マネーフォワードは書類作成のためのツールであり、税理士・社会保険労務士のような専門家が担う相談業務そのものを代わりに行うサービスではない、という点もこの切り分けの前提になります。
設立後は、決算月の決め方や、インボイス登録をするかどうかの判断、役員報酬の金額決定など、書類を出すだけでは片づかない判断が続きます。これらは制度の理解と数字の見立てが要るため、税理士など専門家に一部を相談しながら進める選択肢もあります。設立書類の作成という意味では会社設立はマネーフォワードで十分に足りますが、届出後に続く税務・社会保険・決算・役員報酬の判断は、画面だけでは自動化されません。この会社設立の作業を、どこまで自分だけで抱えるかを最初に切り分けておくと、この先の判断で迷う場面を具体的に減らせます。

まとめ:窓口ごとに期限を管理すれば、抜け漏れは防げる
マネーフォワードで会社設立の登記を終えたあとにやるべきことを振り返ると、法務局での証明書取得、税務署への複数の届出、自治体への提出や年金まわりの届出、銀行での口座開設という5つの窓口が並行して進みます。提出先も期限の起算日も違うため、税務署への対応だけを済ませて安心すると、自治体側の書類や年金まわりの届出が漏れる原因になります。
この記事で紹介した提出先別の一覧を手元に置き、期限が最も短い届出から自分で着手すれば、会社設立後の手続きを1つずつ確実に進められます。下書きの作成はマネーフォワードの画面に任せられますが、窓口での提出や口座開設の申し込みは自分の行動が必要な部分です。決算や社会保険、インボイス登録のように継続的な判断が必要な部分は、税理士など専門家と分担する形も選択肢に入れて、手続きを1つずつ終えてください。




