この記事は、マネーフォワード クラウド会社設立で書類のひな形作成をひととおり終えたあと、3種類ある有料契約のどれを選べばよいか自分で判断したい人に向けて書いています。会社設立にかかる費用の全体像や、無料でどこまで進められるかはすでに整理済みという前提で、ここでは一歩先の「ひとり法人・スモールビジネス・ビジネス」という契約の違いに絞って比較します。これは書類作成のためではなく、会社設立を終えたあとの経理をどこまで任せたいかで選ぶものです。自社の規模や体制、そして自分が経理にどれだけ時間を割けるかに照らして、この記事の内容を判断材料にしてください。判断に必要な情報を、公式サイトの表記にもとづいて自分の言葉で整理していきます。
プランの前に整理する、料金が0円の範囲と契約の関係
マネーフォワード クラウド会社設立は、アカウントを登録すれば会社設立の書類のひな形作成そのものは無料で進められます。ここでいう無料とは、会社情報の入力から定款・登記申請書の作成までの利用料がかからないという意味で、この記事のテーマである契約は、この入力作業を追加で便利にするものではありません。会社設立の書類まわりの手続きは、契約せずとも自分の手だけで最後まで進められる設計です。
契約の有無で変わるのは、主に電子定款にかかる実費と、法人になった後の経理業務です。入力を無料のまま終えたい人にとって加入は必須ではなく、事業の状況を見てから自分で決めても手続きに支障はありません。マネーフォワード クラウド会社設立の概要を整理した記事もあわせて読むと、料金がかからない範囲がつかみやすくなります。たとえば決算書類の作成や給与計算は、無料の範囲では扱えず、加入して初めて開放される機能です。
案内では、この契約はいずれも年払いで、会社設立の直後に限らず、登記が完了したあとに「アカウント設定」の画面から申し込むこともできます。焦って結論を出さず、自分の事業の進み具合を見ながら決めても遅くはありません。加入という言葉に構えすぎず、まずは書類のひな形作成そのものから自分で始めてみるのも一つの進め方です。会社情報の入力・印鑑購入・定款の作成方法の選択という一連の画面は、加入の有無で表示や操作が変わることはありません。

3つの契約、税込年額と想定する会社規模の違い
マネーフォワードが用意する有料の契約には、ひとり法人・スモールビジネス・ビジネスという3つの名称があります。年払いの税込表示価格はひとり法人プランが32,736円、スモールビジネスプランが59,136円、ビジネスプランが85,536円です(マネーフォワード公式の価格ページより、確認日2026年8月21日)。もっとも軽い契約ともっとも重い契約の差額は5万円を超え、キャンペーンの適用条件を詳しく解説した記事で触れたとおり、条件次第でこの年額から実質の負担が下がる場合もあります。
マネーフォワードの案内では、価格がもっとも軽いものは新設法人1年目・小規模向け、真ん中は小規模企業向け、価格がもっとも重いものは中小企業向けと位置づけられています。この線引きは発起人が何人かや売上額を機械的に区切るものではなく、あくまで目安です。名称だけを見て規模を判断せず、実際に自社が使う機能の量で選ぶほうが失敗は少なくなります。値段の差は、あとのセクションで見る経理機能の広さの違いに対応しています。
会社設立の直後は売上の見通しが立ちにくく、規模を決めかねる会社も多いはずです。迷った場合は、まず新設法人向けの契約から始め、事業が育った段階で真ん中・上位へ切り替えるという進め方も自分で選べます。切り替えの手続きは同じ画面から行う仕組みで、年払いという性質上、途中で切り替えても残りの期間分が自動的に日割りされるわけではない点は次のセクション以降でも触れます。会社設立費用の総額を整理した記事では、この契約料を含めない法定費用側の内訳を確認できます。


契約で変わる、電子定款の実費負担
電子定款を選ぶと、提携する行政書士が定款を作成して電子署名を行い、この作成にあたって通常5,000円(税込)の実費がかかります。加入なしで進める場合、この5,000円は「定款作成費用のお支払い」の画面で自分が振り込む金額です。手元に用意しておく費用として、あらかじめ見込んでおくとよい金額といえます。
この契約のいずれかに入っていると、この5,000円分をマネーフォワードが肩代わりするため、実質0円で済みます。行政書士への支払いという性質上、領収書や請求書のやり取りが不要になる点も、実務上の手間を減らします。ただしこの金額が5,000円を超える場合は、超過分までは肩代わりされないという条件が案内に明記されています。紙の定款を選ぶと行政書士への支払いはかかりませんが、代わりに収入印紙40,000円が必要になるため、電子を選んで自分で払うほうが会社設立の負担は軽くなりやすい組み合わせです。定款の作成方法は「定款の作成方法の選択」の画面で電子・紙のどちらか一方を選ぶ形式で、あとから途中で組み合わせることはできません。
この5,000円だけを浮かせたい目的で契約を結ぶと、年額32,736円〜85,536円という価格のほうが上回るため、費用の面だけでは元が取れません。加入を検討する理由は、次に見る経理機能まで含めて考えるのが、マネーフォワードの案内とも整合します。電子定款の印紙代を詳しく解説した記事もあわせて確認してください。

契約で増える機能、決算・給与計算・請求書発行
有料の契約に共通して増えるのは、会社設立の書類まわりの機能ではなく、法人になった後にこなす帳簿づけの機能です。公式の価格比較ページによれば、決算書類の作成・給与計算・請求書の発行・経費精算といった作業がここに含まれます。書類だけを無料で作りたい人にとって、加入は必須ではありません。
請求書の発行機能には、インボイス制度に対応した様式で発行する機能も含まれると案内されています。設立後にインボイスの登録を予定している会社にとって、この点は加入を検討する材料の一つになります。逆に、決算や給与計算をはじめから税理士に外部委託する予定の会社は、契約せずに入力作業だけで完結させる進め方でも支障はありません。この判断は誰かに任せず、自分の事業計画に沿って決めるのが基本です。
加入するかどうかは、この先どこまでの帳簿づけを自分の手元でこなしたいかで決まります。マネーフォワードの価格比較ページには、契約ごとの機能一覧が表で掲載されています。機能名を一つずつ照らし合わせながら、自社に必要な範囲を絞り込んでいく作業です。


公証人とは(日本公証人連合会)を参照。
「プラン」と「登記代行プラン」は別物、混同しやすいポイント
マネーフォワードの案内には、株式会社と合同会社の標準的な発起設立以外には対応しない旨が明記されています。公式のよくある質問によれば、取締役会を置く会社、現物出資を伴う設立、海外に住む人や未成年者が発起人・役員になる場合などは、通常の入力フォームの対象外です。該当する会社は、公式FAQの案内に沿って個別に司法書士へ相談する流れになります。
こうしたケースに該当する会社は、ここまで見てきた3つの契約とは別枠の、司法書士が対応する登記代行のための契約を案内されます。この契約はあくまで会社設立を終えたあとの経理業務を左右するものであり、登記そのものを代行してもらえるかどうかとは別の話です。この違いを混同すると、上位の契約に入れば特殊なケースにも対応してもらえると誤解しかねません。いずれの契約を選んでも、対応できる範囲は発起設立の基本形にとどまります。
自社が標準的な発起設立にあたるかどうかは、事業目的や機関設計を決める段階で自分で確認しておく必要があります。判断に迷う場合は、よくある質問のページを読んだうえで、司法書士など専門家に相談してから決めてください。

どの契約を選ぶか、発起人の人数や始め方で目安を整理する
ここまでの内容を踏まえると、契約選びの基準は事業規模だけでなく、発起人が何人いるかと、この先すぐに自分の手元で帳簿をつけるかという2点に整理できます。発起人が1人で、当面は自分だけで帳簿をつける予定の会社は、新設法人向けの軽い契約から始めても機能面で不足を感じにくい位置づけです。従業員を雇わず、請求書を出す機会も少ない段階であれば、この契約でひととおりの帳簿づけがまかなえます。
発起人が複数いる会社や、早い段階から給与計算まで自分で使いたい会社は、真ん中の契約以上を検討する価値があります。給与を受け取る人数が増えるほど、手計算からクラウドの機能へ切り替えるメリットも大きくなります。すでに一定の取引があり、経費精算や請求書の発行件数が多い中小企業であれば、いちばん重い契約が位置づけとして合います。たとえば発起人が3人いて、設立の初月から従業員の給与計算を自社で回したい会社は、真ん中以上を軸に検討したほうが後戻りが少なくなります。あくまで公式が示す目安であり、実際の使い方は会社ごとに異なるため、最後は自社の業務量に照らして選んでください。
迷った場合は、契約せずに「会社情報入力」の画面から会社設立の入力を始め、事業の実態が見えてきた段階で加入を自分で検討するという順番でも、手続きに支障は出ません。まずは無料の範囲で自分の手を動かし、必要性を実感してから決める進め方です。


あとから契約する・見直すときの注意点
有料の契約は、会社設立が完了した後からでも「アカウント設定」の画面を通じて自分で申し込めます。入力の途中で無理に決める必要はなく、事業の状況を見てから加入する会社も少なくありません。
気をつけたいのは、やめる場合の扱いです。退会に関する案内によれば、契約期間の途中で利用をやめても、その期間分の料金は満額発生し、日割りでの精算や返金は行われません。たとえば年払いで契約した半年後にやめても、残り半年分が戻ってくるわけではないため、年払いの契約を年の途中で見直すつもりなら、この点をあらかじめ自分で踏まえておく必要があります。年払いの表示価格である以上、資金繰りの計画にはこの支出をあらかじめ組み込んでおくことになります。
契約している事業者を切り替えたい場合は、その画面にある「アカウントの移行」機能を使えますが、移行前後のマネーフォワードIDが両方ともログインできる状態であること、移行後のIDが会社設立と紐づく事業者に属していること、行政書士へ定款作成を依頼している最中でないことという3つの条件を自分で満たす必要があります。マネーフォワードのログイン・アカウント管理を整理した記事でも、この操作についてさらに詳しく確認できます。退会すると登録済みの情報は削除されて復旧できず、サクセスパックの特典や電子公告契約も同時に解約となります。


まとめ:会社設立後の経理をどこまで任せたいかでプランを選ぶ
ここまで見てきたように、マネーフォワードが用意するこれらの契約は、会社設立の書類の入力作業を左右するものではなく、電子定款にかかる実費と、この先の帳簿まわりの広さを左右するものです。税込年額は新設法人向けが32,736円、真ん中が59,136円、いちばん重い契約が85,536円で、もっとも軽い契約ともっとも重い契約の差は5万円を超えます。契約するかどうかで争点になるのは金額そのものより、帳簿づけの4つの機能を、この先どこまで自社で使いたいかという点です。
取締役会を置く会社や海外居住者が関わる設立など、標準的な発起設立にあたらないケースは、これらの契約とは別枠の登記代行のための契約が必要になる点も、自分の中で混同しないよう覚えておいてください。加入は会社設立の直後に限らず、登記が完了したあとから「アカウント設定」の画面を通じて自分で申し込むこともできます。
自社に合う契約を選ぶには、発起人の人数と、この先どこまでの経理業務を自分の手元でこなしたいかを基準にしてください。判断に迷う場合は、公式の価格比較ページで機能の一覧を自分の目で確認したうえで、税理士など専門家に相談する方法もあります。契約は一度決めたら固定されるものではなく、事業の成長に合わせて自分のタイミングで見直せる仕組みです。



