このページは、マネーフォワード クラウド会社設立で株式会社をつくる途中で、「定款は本当に必要なのか」「電子定款と紙定款のどちらを選べばいいのか」「資本金はどこに書かれるのか」で立ち止まった人に向けた、「マネーフォワード 会社設立 定款」カテゴリーの総まとめです。会社法の条文と日本公証人連合会の案内を土台に、定款の記載事項がStep1のどの入力欄から作られるのか、「STEP2 定款の作成」と「STEP2 定款の準備」で何を選ぶのか、認証手数料がどの段階になるのかを順に整理しました。金額と画面名は2026年10月18日に公式ページで確認した表記です。
会社設立時に定款は必要か:株式会社は作成と認証が必須
株式会社の会社設立では、定款は省略できません。自分で手続きを進める場合も専門家に頼む場合も同じです。会社法26条1項は、株式会社を設立するには発起人が定款を作成し、全員がこれに署名または記名押印しなければならないと定めています。さらに会社法30条1項により、定款は公証人の認証を受けなければ効力を生じません。合同会社は定款の作成は必要でも、公証人の認証は不要です。
マネーフォワードのサービスでは、この定款をStep1の入力内容から自動で作ります。発起人が白紙から条文を書く必要はなく、画面が組み立てた定款を「STEP2 定款の準備」で確認し、認証の手配へ進む形です。ただし、作られた定款の中身に責任を持つのは発起人自身であり、認証を受けた後は、会社成立前に原則として変更できません(会社法30条2項)。
会社設立の検索で「定款 不要」という言葉が出てくるのは、合同会社の定款認証が不要であることを指している場合がほとんどです。株式会社を選ぶ以上、認証の工程は外せません。つまり、「定款は必要か」の答えは「必要で、しかも認証後は動かせない」です。どの段階で中身を確定させるかが会社設立の手続き全体の分かれ目になるので、次の見出しで、定款に必ず書かれる項目とStep1の入力欄の対応を確かめてから、入力を保存してください。

定款に書く事項と、Step1の入力欄の対応
会社設立のときに定款へ何を書くかは、法律で骨格が決まっています。会社法27条は、株式会社の定款に必ず書く事項として、目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名または名称及び住所の5つを挙げています。どれか一つでも欠けると定款そのものが無効になります。これに加えて、発行可能株式総数は会社成立までに定款で定めておく必要があり(会社法37条)、登記事項にもなります。
マネーフォワードの会社設立サービスでは、これらがStep1の入力欄と対応しています。商号は会社名の欄、本店の所在地は会社の住所の欄、目的は「事業目的を入力してください」、発起人は「役員・出資者の情報を入力してください」、出資の額は出資金と株式の内容の欄で入れた値がそのまま条文になります。事業年度は決算月の欄で選んだ月から作られ、公告の方法も同じ画面群で選びます。自分で条文を書く必要はありませんが、入力した値が定款の文言として残ることは意識しておく必要があります。
事業目的には、日本公証人連合会が説明するように適法性・営利性・明確性が求められ、意味が分かりにくい表現は認証や登記の審査で補正を求められることがあります。「事業目的候補一覧」から選ぶか自由に書き加えるかを決める前に、許認可が必要な事業なら所管の窓口で要件に合う表現を確かめてから保存してください。


資本金は定款のどこに関わるか:最低資本金はない
定款の記載事項でよく誤解されるのが資本金です。会社法27条4号が求めるのは「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」であって、資本金の額そのものではありません。資本金と資本準備金の額は、定款に定めがない限り発起人全員の同意で決めます(会社法32条1項3号)。マネーフォワードの画面で「出資金」として入力する金額が、この出資の価額にあたります。会社設立の後で資本金を増やすには増資の手続きと変更登記が必要になるため、最初の金額は自分の事業計画から逆算して決めることになります。
現在の会社法には最低資本金の定めがなく、1円からの会社設立も可能です。旧商法では株式会社に1,000万円の最低資本金が求められていましたが、会社法の施行で廃止されました。この経緯は、旧商法1,000万円規制の廃止を扱った記事で、最低資本金でよくある5つの誤解とあわせて確認できます。
一方で、出資の額は定款認証手数料の段階や、資本金が1,000万円以上かどうかで変わる消費税の扱い(設立第1期の免税は資本金1,000万円未満などの条件により決まる)にも影響します。いくらにするかは、資本金の目安と判断基準を扱った記事と、資本金でよくある誤解を確かめてから入力すると、認証後に定款を作り直す事態を避けられます。

定款は電子で作成できるか:電子定款と紙定款の違い
定款は電子で作成できます。会社法26条2項は、定款を電磁的記録で作成できると定めており、電子定款には紙の定款に必要な収入印紙40,000円がかかりません。電子定款の作成には発起人などの電子署名が要りますが、マネーフォワードの会社設立サービスでは提携する行政書士が定款を作成し電子署名を行うため、自分で署名ソフトやICカードリーダライタを用意する必要はありません。
Step2の定款の作成画面にある「定款の作成方法を選択する」で「電子定款」を選ぶと、「電子定款のプランを選択する」で「手数料 5,000円」か「手数料 0円 + マネーフォワード クラウドの有料プラン(月額2,480円~)に登録」を選びます。有料プランはひとり法人・スモールビジネス・ビジネスの3種類で、年額・月額を問わないと公式ガイドにあります。紙定款を選ぶと手数料はかかりませんが、公証役場で収入印紙40,000円分が必要になります。
印紙代4万円が不要になる仕組みは、電子定款の印紙の扱いを掘り下げた記事で確認できます。電子定款でよくある3つの誤解には、「電子なら誰でも無料」といった思い込みもまとめてあるので、5,000円を払うか有料プランに登録するかを決める前に目を通してください。


マネーフォワードで電子定款を作るまでの画面と日数
電子定款を選んだあとの定款の準備の画面では、「定款の受け取り場所を選ぶ」で公証役場を選び(Step1の住所の都道府県内の公証役場だけが表示されます)、「定款の内容を確認」で「定款作成日」を選びます。定款作成日は画面を操作している当日を選び、未来の日付は選べません。続いて「定款に変更を加える」かどうか、「定款の作成スケジュールとオプションを選択する」、「定款を受け取る人を決める」を選び、「定款の内容を確認した」にチェックを入れて保存します。
次の「STEP2 証明書の準備」では、株式会社なら発起人の印鑑証明書と写真付き身分証明書の画像をアップロードし、「行政書士への依頼を開始する」を押します。「STEP2 定款作成の依頼」で表示された口座へ費用を振り込み、「振込完了」を押すと、行政書士が電子定款の作成を始め、約5営業日で完了の連絡がメールで届きます。
認証が済んだら、定款の受取の画面で確認できる公証役場へ行き、空のCD-Rに電子定款を受け取ります。公式ガイドの持ち物には委任状、本人確認書類、発起人の印鑑証明書と実印、現金約52,000円が並び、現金の大部分は定款認証手数料(資本金の額等に応じた4段階のいずれか)です。会社設立のこの工程だけは代理人に頼む場合でも委任状が要るので、自分で行くか誰に任せるかを先に決めておくと予約が取りやすくなります。受け取ったら「定款を受け取りました」を押して出資金の入金へ進みます。
紙定款を選んだ場合の会社設立の流れは少し違います。マネーフォワードの公式ガイドでは、定款を3通ダウンロードして印刷し、現金約52,000円(資本金の額等により4段階に分かれる定款認証手数料のうち最上段の5万円と、謄本交付手数料250円×ページ数を合わせた例)、収入印紙40,000円分、発起人の印鑑証明書各1通と実印、実質的支配者となるべき者の申告書を持って、自分で公証役場へ出向いて認証を受けるよう案内しています。行政書士への依頼の工程がないぶん、会社設立の手配はすべて自分で行うことになり、印紙代の差額を含めて電子定款より負担が大きくなるのが一般的です。

定款認証の手数料は4段階:自分の会社はどれに当たるか
会社設立の法定費用のうち、定款認証手数料は、日本公証人連合会の案内によると資本金の額等に応じて4段階です。資本金の額等が100万円未満の場合は3万円、100万円以上300万円未満は4万円、その他は5万円で、100万円未満のうち一定の要件を満たす場合は1万5,000円になります(令和6年12月1日施行の改正)。
1万5,000円になる要件は3つあり、すべて満たす必要があります。発起人の全員が自然人で3人以下であること、定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載があること、定款に取締役会を置く旨の記載がないことです。一人で資本金99万円の株式会社をつくる場合などが当てはまります。このほかに、定款の謄本の交付手数料が別にかかり、紙定款の公式ガイドではページ数×250円と案内されています。
資本金を100万円にするか99万円にするかで手数料が1万5,000円以上変わることもあります。会社設立の費用を抑えたい人ほどこの境目を意識しがちですが、出資の額は取引先や金融機関からの見え方にも関わるので、手数料だけで決めないことも大切な判断材料です。そのうえで、資本金額により変わる4段階を扱った記事で自分のケースを当てはめてみてください。手数料の数え方で誤りやすい点は、定款認証でよくある3つの勘違いにまとめてあります。


定款を自分で直したいとき:変更の入れ方と注意点
マネーフォワードの画面が作る定款は標準的な条文で構成されていますが、株式の譲渡制限の書き方や役員の任期などを自社に合わせたい場合もあります。会社設立サービスの側では、定款の準備の画面で「定款に変更を加える」を選び、変更箇所を入力したうえで、変更した定款をアップロードする仕組みです。
ただし、定款に変更を加えると電子申請は使えなくなります。公式ガイドの電子申請の条件には「定款の修正を行わない」が含まれており、変更する場合は登記を書面で申請することになります。また、紙定款のガイドでは、ダウンロードのタイミングによって「最初の事業年度」の年の表記が変わり、希望と違えばWordで自分で訂正する必要があると注意しています。
独自の条項を書くときの手がかりとして、日本公証人連合会は株式会社の定款記載例を機関設計の規模別に公開しています。記載例は自社の実情に合わせて検討するよう案内されているので、そのまま写さず、変更したい条項だけを比べて書き換え、認証前に公証人へ相談するのが確実な進め方です。

まとめ:定款はStep1の入力で中身が決まる
マネーフォワードで会社設立を進める場合の定款は、Step1で入力した会社名・住所・事業目的・役員と出資者・出資金・決算月から自動で作られ、Step2の定款の作成画面で電子か紙かを選び、行政書士と公証役場を経て認証されます。電子定款なら印紙代40,000円が不要になり、作成手数料5,000円は有料プランの登録で0円にできます。認証手数料は資本金の額等に応じて1万5,000円〜5万円の4段階です。
認証後は原則として変えられないため、定款の中身を決めるのは実質的にStep1の入力です。会社設立の書類の中でも、定款は後から直しにくい唯一の書類です。このカテゴリーには、電子定款の仕組みと誤解、認証手数料の4段階、資本金の決め方と最低資本金に関する記事を集めています。自分で会社設立を進めるなら、まず出資の額と事業目的を確定させ、そのうえで出資金と株式の内容の欄から自分で保存を進めてください。

公証役場一覧(日本公証人連合会)を参照。






