このページは、マネーフォワード クラウド会社設立で登記まで終え、「会社設立後に何を、どこへ、いつまでに出せばいいのか」で手が止まっている人に向けたまとめです。設立後の届出書類の多くはツールが作ってくれますが、提出と期限の管理は自分で行います。ここでは公式ヘルプの「会社設立後の手続き」メニューに並ぶ画面の順番と、国税庁・日本年金機構が示す期限を突き合わせ、やることリストを期限の短い順に整理します。各項目の詳しい解説は、本文中のリンクから個別記事へ進めます(確認日:2026年10月18日)。
マネーフォワード 会社設立後に開く「会社設立後の手続き」メニュー
登記申請が終わったら、マネーフォワード クラウド会社設立の画面で最初に進むのは「STEP2 印鑑カードや証明書を取得する(登記事項証明書を取得する)」です。公式ガイドによると、この画面の「法務局で証明書を取得する」で書類を出す法務局を確認し、「必要書類の枚数」で印鑑証明書交付申請書と登記事項証明書交付申請書の枚数を選び、「申請書のダウンロード」の「PDFでダウンロード」で申請書を出力します。続く「会社設立日を登録する」では、登記事項証明書に書かれた会社の設立日を登録します(ガイドの更新日は2026年3月18日)。
この設立日が、あとのすべての期限の起点になります。設立日を登録すると、メニューは年金事務所・税務署・都道府県税事務所・市町村役場・労働基準監督署とハローワークへの届け出の5項目に進みます。各画面の手順は共通していて、提出先の窓口を選び、必要な持ち物を用意し、届出書類をダウンロードする、という3段階です。
つまり、ツールが受け持つのは届出書類の作成までで、窓口への提出と期限の管理は自分で行います。登記事項証明書は法人口座の開設や年金事務所の届出でも求められるため、「必要書類の枚数」は最初から2〜3枚多めに選んでおくと、法務局へ取りに行く回数を減らせます。

STEP2 印鑑カードや証明書を取得する(登記事項証明書を取得する)(マネーフォワード クラウド会社設立使い方ガイド)を参照。
会社設立後のやることリスト:期限の短い順に並べる
関連キーワードの「やることリスト」は、提出先ではなく期限で並べ替えると抜けが減ります。最も短いのは年金事務所への「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」で、日本年金機構は提出時期を事実発生から5日以内としています。次が税務署の給与支払事務所等の開設届出書で、開設の事実があった日から1か月以内です。法人設立届出書は設立の日以後2か月以内、青色申告の承認申請書は設立の日以後3か月を経過した日と第1期の事業年度終了日のいずれか早い日の前日までが期限です(国税庁・日本年金機構の公表情報、2026年10月18日確認)。
国税庁の広報ページ「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」も、法人を設立したときは税務署に届出が必要になると案内しています。全体を1枚にまとめた提出先と期限を一覧にしたチェックリストと、勘違いしやすい点を集めた設立後の手続きでつまずきやすい7つの誤解の記事を手元に置くと、自分の会社に当てはまる項目だけを拾い出せます。
合同会社設立後のやることリストも、届出の種類と期限は株式会社とほぼ同じです。違いは、登記事項の役員欄が「代表社員」「業務執行社員」になる点と、株式会社に課される決算公告が合同会社には不要な点です。会社の形態にかかわらず、設立日から5日・1か月・2か月・3か月の4つの日付をカレンダーに入れることが最初の作業になります。


税務署に提出するもの:法人設立届出書・青色申告・給与支払事務所
「設立後に税務署に提出するもの」は、PAAにも出てくる質問です。ツールの側では、「税務署への届け出」画面で、提出する税務署を選択し、必要な持ち物を確認し、株式会社・合同会社それぞれの届出書類をダウンロードします。中心になるのは法人設立届出書(設立の日以後2か月以内)、青色申告の承認申請書、そして役員報酬や給与を払う場合の給与支払事務所等の開設届出書(1か月以内)の3つです。
給与の支給人員が常時10人未満であれば、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書も検討対象になります。国税庁タックスアンサーNo.2505によると、この特例の承認を受けると、1月から6月までに源泉徴収した所得税は7月10日、7月から12月までの分は翌年1月20日にまとめて納付できます。特例を受けない場合は、原則として給与を支払った月の翌月10日が納付期限です。
どの書類も、ツールが会社名や設立日を入力済みの状態で用意してくれますが、提出は窓口・郵送・e-Taxのいずれかで自分で行います。期限ごとの詳細は税務署への届出の期限を整理した記事に、提出の要否で迷いやすい場面は税務署届出でつまずく7つの分岐の記事にまとめています。設立から1か月以内に、給与支払事務所等の開設届出書と法人設立届出書をまとめて出してしまうのが、期限を落とさない一番簡単な方法です。

都道府県税事務所・市町村役場と労働保険の届け出
税務署と同じ届出を、地方税の窓口にも出します。公式ガイドによると、「都道府県税事務所への届け出」は法人都道府県民税・法人事業税・法人市町村民税に関する手続きで、都道府県税事務所を選択し、持ち物を用意し、届出書類をダウンロードする流れです。「市町村役場への届け出」は法人市町村民税に関する手続きで、市区町村によって届出先が異なる場合があるため、事前に電話して届出先を確認するよう案内されています。提出期限は各自治体の条例で定められているため、本店所在地の自治体のページで確認します。
従業員を雇う会社は、さらに労働保険の手続きが加わります。「労働基準監督署・ハローワークへの届け出」のガイドでは、従業員(役員を除く)を1人以上雇用した場合は労働者災害補償保険の適用事業となって労働基準監督署へ、雇用保険の適用事業としてハローワークへ、それぞれ書類の提出が必要だと説明しています。代表者ひとりの会社であれば、この2つは従業員を雇うまで発生しません。
地方税の届出を忘れると、法人住民税の均等割(赤字でも発生)の納付書が届かず、申告の時期に慌てることになります。設立の翌月までに、都道府県と市町村の届出が済んでいるかを自分で確認してください。

社会保険・年金事務所:5日以内の新規適用届
株式会社・合同会社などの法人は、代表者ひとりだけでも健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所です。マネーフォワード クラウド会社設立の「年金事務所への届け出」画面では、年金事務所を選択し、必要な持ち物を用意し、届出書類をダウンロードします。関連ガイドには「5日以内の手続きが難しい場合はどうすればよいか」というQ&Aも用意されており、期限の短さが公式ヘルプでも意識されていることが分かります(ガイドの更新日は2025年4月22日)。
提出するのは「新規適用届」と、被保険者となる人の「被保険者資格取得届」、被扶養者がいる場合の「被扶養者(異動)届」です。日本年金機構の案内では、新規適用届の提出時期は事実発生から5日以内とされています。一方で、被保険者資格は報酬を受けている役員が対象になるため、役員報酬を0円にしている期間は代表者が被保険者にならない、という扱いがあります。この例外の条件は社会保険の強制加入と役員報酬0円の例外の記事で、思い込みやすい点は社会保険でよくある5つの誤解の記事で整理しています。
保険料は役員報酬の額から決まるため、次のセクションの役員報酬と同時に考えるのが効率的です。登記を自分で進めた人ほど、登記が終わった安心感でこの5日を過ぎやすいので、設立日の登録と同じ日に書類を出力しておきます。

法人口座:登記事項証明書がそろってから申し込む
法人口座は、登記が完了して登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を取得できる状態になってから申し込みます。住信SBIネット銀行(d NEOBANK)のよくある質問「法人口座開設に必要な条件や書面を教えてください」のように、各銀行は申込みの条件と必要書類を公開しており、登記事項証明書や代表者の本人確認書類が共通して求められます。三菱UFJ銀行は、登記事項証明書と法人の印鑑証明書について発行から6か月以内のものを求めると案内しています。要件は金融機関ごとに異なるため、申し込む銀行の公式ページで最終確認します。
このツールで会社を作った法人は、「設立後の特典」で提携銀行の案内を受けられますが、口座の審査と開設の可否は各銀行が判断します。新設法人の審査では事業内容の確認や実質的支配者の申告が行われることがあり、会社のホームページや事業計画の資料があると説明しやすくなります。
口座ができるまでは、資本金の払込みに使った発起人個人の口座から会社の支払いをしない、という線引きが帳簿の上で大切になります。必要書類の詳細は法人口座の必要書類と開設の流れの記事、審査で誤解されやすい点は法人口座でつまずく6つの誤解の記事にまとめています。登記の翌週には、登記事項証明書を持って申込みに進めるよう準備しておくと、取引先への請求先口座の連絡も早まります。

役員報酬:設立から3か月を経過する日までに決める
役員報酬は、設立後の手続きの中で唯一「書類を出す」のではなく「金額を決める」項目です。国税庁のタックスアンサーNo.5211によると、損金に算入できる定期同額給与にするには、1か月以下の一定期間ごとに同額を支給する必要があり、新設法人の第1期は設立の日から3か月を経過する日までに金額を決めることになります。国税庁の質疑応答事例「定期給与の額を改定した場合の損金不算入額」は、期中に増額した場合に増額分が損金に算入されない扱いを示しています。
金額は社会保険料と所得税・住民税にも連動します。報酬を上げれば会社の利益は減りますが、会社と本人が負担する社会保険料が増えます。下げすぎると生活費が足りず、会社から個人へのお金の移動が役員貸付金として残る場合があります。どの金額が適切かは事業の見通しで変わるため、マネーフォワードのツールでは決められず、自分で試算するか税理士に相談する領域です。
期限の数え方は役員報酬の決定期限を整理した記事に、毎月の額を途中で変えたい場合の扱いなどは役員報酬でよくある7つの勘違いの記事にまとめています。設立の日から数えて2か月目までに試算を終え、株主総会などで決めた記録を議事録として残すところまでを、この期限内に済ませます。

決算月とインボイス:第1期のうちに決めておくこと
決算月は定款に書いた事業年度で決まり、法人税の確定申告書は事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出します。国税庁の解説「確定申告書の提出期限」もこの原則を示しています。マネーフォワード クラウド会社設立では「STEP1 会社設立に必要な情報の入力」画面で決算時期を入力するため、会社設立の時点で決算月はすでに決まっています。第1期が何か月になるかを数え、最初の申告期限をカレンダーに入れておきます。
インボイス(適格請求書発行事業者)の登録は、新設法人であれば、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに登録申請書を出すと、その課税期間の初日に遡って登録を受けたものとみなす特例があります。登録すると、資本金1,000万円未満で本来は免税になる会社でも消費税の課税事業者になり、条件により申告と納税が必要になります。なお、インボイス登録をした小規模事業者向けの2割特例は、国税庁の案内で2026年9月30日を含む課税期間までが対象とされており、2026年10月以降に設立した法人の第1期には使えません。
決算月の選び方は第1期の決算月の決め方の記事、つまずきやすい場面は決算でつまずく6つの分岐点の記事にあります。インボイスについては、取引先が登録番号を求めるかどうかで判断が分かれるため、インボイス登録を自分で判断する記事と、インボイスでよくある勘違いの記事で条件を確認してから申請します。


確定申告書の提出期限(国税庁)を参照。
まとめ:書類はツール、期限と判断は自分で持つ
マネーフォワード クラウド会社設立は、会社設立後の届出書類まで作ってくれるため、「書類が分からない」という壁はかなり低くなっています。残るのは、5日・1か月・2か月・3か月という期限の管理と、役員報酬・決算月・インボイスといった金額や方針の判断です。この2つはツールでは自動化できず、会社設立後の最初の3か月に集中します。
帳簿づけは、設立後にマネーフォワード クラウド会計などの会計ソフトで始めます。公式ページによれば、クラウド会計には1か月の無料トライアルがあり、年払いのひとり法人プランは税抜29,760円(税込32,736円、2026年10月18日確認)です。会計ソフトに銀行口座の明細を連携しておくと、決算の時期に通帳から入力し直す手間がなくなります。
判断に迷う項目が多いと感じたら、決算や役員報酬について税理士への相談を検討する段階です。当サイトで紹介している会計事務所SoVaの士業伴走プランは、freee会社設立を利用する前提の設立サポートで、設立サポート手数料0円は顧問契約(月1.5万円〜)とあわせて依頼する場合の条件です。まずは設立日を起点に4つの期限を書き出し、今日から5日以内に出す年金事務所の書類から手を付けてください。








