このページは、マネーフォワード クラウド会社設立で会社設立を自分で進めようとして、「株式会社ではなく合同会社でいいのか」「合同会社なら何が変わり、いくらかかるのか」で迷っている人に向けたまとめです。このツールは株式会社と合同会社の両方に対応していますが、定款認証の有無、登録免許税の最低額、電子申請の条件など、合同会社だけ扱いが変わる箇所があります。ここでは法務省とマネーフォワードの公式情報で確認できた範囲で、手順・費用・株式会社との違い・向き不向きを整理し、詳しい個別記事へつなぎます(確認日:2026年10月18日)。
マネーフォワード 会社設立は合同会社にも対応している
マネーフォワード クラウド会社設立のFAQ「どのような会社を設立できますか?」によると、このツールが対応しているのは株式会社と合同会社の2つです。合資会社・合名会社・NPO法人・一般社団法人・取締役会設置会社は非対応で、法人が代表社員や業務執行社員になる会社、海外居住者や未成年者が役員・発起人になる場合、現物出資、代理人による登記申請も対象外と明記されています(FAQの更新日は2026年3月3日)。
合同会社を選ぶのは、「STEP1 会社設立に必要な情報の入力」画面の「会社名を入力してください」の項目です。ここで会社形態・法人形態・会社名を設定すると、以降の画面と出力される定款・登記申請書が合同会社用に切り替わります。途中で形態を変えると、入力済みの役員情報や事業目的を見直す必要が出るため、形態は最初の入力の前に自分で決めておくのが効率的です。役員の呼び方も、株式会社の「代表取締役」「取締役」から、合同会社では「代表社員」「業務執行社員」に変わります。
代表者がひとりで出資して経営する小さな会社であれば、どちらの形態でもツールの対応範囲に収まります。出資者に法人が入る場合など、非対応の条件に当たるときは、司法書士が手続きを代行する「登記代行プラン」の案内がFAQにあります。まずは自分の会社が対応範囲に入るかを確かめてから、合同会社で進めるかを決めてください。

合同会社 設立の手順:電子申請の条件と省かれる画面
合同会社 設立の手順は、会社情報の入力、定款の作成、出資金の払込み、登記申請という大きな流れは株式会社と同じです。違いが出るのは、公証役場での定款認証がないことです。公式ガイド「電子申請機能を利用する際の条件・入力ルール」には、合同会社の場合は「STEP2 定款の受取」画面が表示されないと書かれています(ガイドの更新日は2026年9月17日)。
同じガイドが示す電子申請の利用条件にも、合同会社向けの読み替えがあります。株式会社では「役員/株主」が代表取締役1名のみであることが条件ですが、合同会社では代表社員1名のみと読み替えます。また、マイナンバーカードとCDドライブの所持が条件とされる中で、合同会社の場合はCDドライブが不要と注記されています。このほか、電子定款を選び「定款に変更を加えない」を選択すること、登記時に追加の添付書類がないこと、ログインするメールアドレスに「+」を含まないこと、なども条件です。
会社名は電子申請で使える全角文字で22字未満、本店の住所は合計37字以内という入力ルールもあります。画面ごとの操作は合同会社を設立する手順と株式会社との違いの記事で順番に整理しています。電子申請を使うかどうかは、法務局の窓口へ行く時間を取れるか、マイナンバーカードの電子証明書が有効期限内かで判断します。条件を満たさない場合でも、登記申請書を印刷して法務局の窓口や郵送で提出する方法は残ります。


合同会社設立 費用:登録免許税6万円が下限、電子定款は5,000円
合同会社設立 費用のうち、法律で決まっているのは登録免許税です。法務省の案内によれば、合同会社の設立登記の登録免許税は資本金の額に1000分の7を掛けた額で、これが6万円に満たないときは6万円になります。6万円は下限なので、資本金がおよそ857万円を超えると0.7%の計算額のほうが大きくなります。マネーフォワードの料金ページでは、資本金1,000万円なら7万円になる例が示されています。
ツールの料金ページ(更新日2025年10月23日、2026年10月18日に表示を確認)は、マネーフォワード クラウド会社設立を使った場合の合同会社の基本費用を約6.5万円(電子定款の作成費用0.5万円と、最低額の登録免許税6万円、設立手数料0円、印鑑等を除く)としています。紙の定款で自分で進める場合は収入印紙4万円が加わって約10万円、専門家に依頼する例では約14万円です。電子定款の作成費用は通常税込5,000円で、有料プラン(ひとり法人・スモールビジネス・ビジネス)を契約するとマネーフォワードが負担します。
株式会社では、これに定款認証の手数料(資本金額などにより4段階)が加わり、登録免許税の下限も15万円になるため、同じ表で約17.2万円です。合同会社なら約10万円以上の差が出る計算で、この差額をそのまま設立直後の運転資金や印鑑代に回せます。差が生まれる理由は株式会社の設立費用が合同会社より高くなる構造の記事で、費用比較で誤解しやすい点は設立費用で合同会社と比べるときの6つの思い込みの記事で確認できます。


定款は作るが認証は要らない:合同会社の定款と用意するもの
法務省の「合同会社の設立手続について」は、合同会社の定款について公証人の認証を受ける必要はないと明記しています。登記の添付書面の一覧でも「定款(公証人の認証は要しない。)」とされています。ただし、認証が要らないだけで、定款そのものは必ず作ります。社員の氏名・住所、出資の目的と価額、社員全員が有限責任社員である旨などを記載し、総社員が署名または記名押印(電子定款なら電子署名)します。
出資の払込みについても、株式会社とは扱いが異なります。法務省のページは、株式会社のように銀行等の払込取扱機関で払い込まなければならないという制約はなく、代表社員が作成した出資金領収書等を添付する方法でも差し支えないと説明しています。実務では、代表社員の個人口座に入金し、通帳の写しと払込みを証する書面を合わせて添付する方法がよく使われます。
マネーフォワードのFAQ「合同会社の設立で用意するもの」では、利用者が用意するものとして、代表社員全員分の印鑑証明書(発行から3か月以内)、電子定款保存のための新しいCD-R、法人印鑑(サービス内で購入可能)の3点が挙げられています。電子申請でCDドライブが不要とされる一方、書面申請で電子定款を提出する場合はCD-Rを使う、という違いを押さえておくと、準備物を取り違えずに済みます。印鑑証明書は社員が複数いれば人数分が必要で、発行日から3か月を過ぎると使えないため、登記申請の予定日から逆算して自分で取得日を決めます。

株式会社との違い:出資と経営、利益の分け方、決算公告
株式会社との違いを一言でいえば、合同会社は出資者(社員)が原則として自分で経営する会社です。株式会社では株主と取締役が分かれ、株主総会で役員を選びますが、合同会社では社員が業務執行権を持ち、定款で業務執行社員や代表社員を定めます。株式がないため、株式を発行して出資を募ったり上場したりすることはできません。
利益の分け方の自由度も違います。株式会社は原則として持ち株数に応じて配当しますが、合同会社は定款に定めれば、出資額と異なる割合で利益を配分できます。定めがなければ出資額に応じる、というのが会社法第622条のルールなので、別の割合にしたい場合は定款への記載が必要です。また、マネーフォワードの料金ページが説明しているとおり、株式会社に義務づけられている決算公告は合同会社には不要で、毎年の決算公告のための官報掲載費用がかかりません。役員の任期についても、株式会社の取締役には任期があり再任のたびに変更登記が必要ですが、合同会社の業務執行社員には法定の任期がありません。
どちらを選ぶかは、将来の資金調達や取引先との関係で変わります。株式会社を選ぶ側の理由は株式会社を選ぶ理由と機関設計の要点の記事に、判断を誤りやすい点は株式会社を選ぶ前に外したい5つの誤解の記事にまとめています。社員が複数になる場合は、意見が割れたときの決め方を定款に書けるかどうかも、会社設立の前に話し合っておく論点です。

「合同会社がダメな理由」は条件しだい:向かない場面を見分ける
PAAに出てくる「合同会社がダメな理由」は、合同会社そのものの欠陥ではなく、特定の条件で不利になる場面を指していることがほとんどです。会社法は第575条以下で持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の設立や業務執行を定めており、合同会社は株式会社とは別の設計の会社として位置づけられています。どちらが優れているかではなく、何をしたい会社かで向き不向きが分かれます。
不利になりやすいのは、次のような条件です。外部の投資家から株式で出資を受けたい、将来上場したい場合は、株式がない合同会社では対応できず、株式会社への組織変更が必要になります。取引先や採用で「株式会社」の名称が重視される業界では、説明の手間が増えることがあります。社員が複数いて全員に業務執行権がある場合、意見の対立が経営判断を止める可能性もあります。これらは定款の定めや業種、取引相手によって程度が変わり、一律に劣るとはいえません。あとから株式会社に組織変更することは可能ですが、債権者保護の手続きや登記が必要になり、その時点で費用と期間が別にかかります。
反対に、代表者ひとりで出資し、上場や外部出資の予定がなく、設立費用と毎年の負担を抑えたい場合には、合同会社の設計がそのまま合います。思い込みで判断しやすい点は合同会社を作る前に外したい5つの誤解の記事で整理しています。会社設立の前に、3年後に外部から出資を受ける可能性があるかを自分で書き出してみると、どちらを選ぶかが絞れます。

会社法(法令本文)(デジタル庁)を参照。
個人事業主と合同会社、どっちがいいかを数字で比べる
「個人事業主と合同会社どっちがいい」という質問には、所得の水準と社会保険の負担で答えが変わります。日本年金機構によれば、株式会社などの法人の事業所は事業主のみの場合を含めて健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所で、合同会社も同じです。個人事業所は、常時5人以上の従業員がいる一部の業種を除けば任意適用です(2026年10月18日確認)。
税金の面では、中小法人の法人税率が年800万円以下の所得部分で15%(2027年3月31日までに開始する事業年度が対象の期限付き特例)、個人の所得税は5%〜45%の7段階です。一方、法人には赤字でもかかる法人住民税の均等割があり、資本金1,000万円以下・従業者50人以下の区分では標準税率の合計で年7万円です。役員報酬を払えば社会保険料の会社負担も生じるため、税率だけを見て法人化すると、手取りが減ることもあります。
法人化するなら株式会社より合同会社のほうが設立費用は小さく、決算公告も不要です。その代わり、法人としての記帳・決算・申告の負担は株式会社と変わりません。会社設立後の税務をどこまで自分でこなせるかを含めて比べるには、売上と経費の見込みから個人と法人の両方で手取りを試算し、差額が均等割と社会保険料の増加分を上回るかを確かめます。試算に自信がなければ、この段階で税理士に数字を見てもらい、法人化の時期そのものを自分で決める材料にします。


まとめ:合同会社で進めるなら最初の入力で形態を決める
マネーフォワード クラウド会社設立なら、合同会社の会社設立も株式会社と同じ画面の流れで自分で進められます。合同会社では定款認証の工程がなく、登録免許税は資本金の1000分の7で、6万円に満たなければ6万円、ツールを使った基本費用の目安は約6.5万円です。電子申請では代表社員1名のみ・CDドライブ不要という読み替えがあり、「STEP2 定款の受取」画面は表示されません。
選ぶ前に確かめたいのは、外部からの出資や上場の予定、取引先が会社の形態を気にするか、社員を複数にするか、の3点です。どれにも当てはまらなければ、合同会社は費用と手間を抑えた選択肢になります。登記が終わったあとの届出は株式会社とほぼ同じで、法人設立届出書は設立の日以後2か月以内に税務署へ、健康保険・厚生年金保険の新規適用届は事実発生から5日以内に年金事務所へ出します。合同会社だからといって設立後の期限が延びるわけではない点も、選ぶ前に把握しておきたいところです。迷う場合は、会社設立の書類を作り始める前に、税理士など専門家に将来の計画を伝えて意見を聞く方法もあります。
準備物は、代表社員全員分の印鑑証明書(発行から3か月以内)、新しいCD-R、法人印鑑の3点です。まずはマネーフォワード クラウド会社設立にログインし、「会社名を入力してください」の項目で会社形態を合同会社にして、会社名と本店所在地が電子申請の文字数ルールに収まるかを確かめるところから始めてください。






