このページは、マネーフォワード クラウド会社設立で会社設立を自分で進めようか迷い、デメリットや欠点を先に知っておきたい人に向けたものです。ここでいうデメリットは、サービスの優劣ではなく、どういう人のどの場面で制約になるか、という条件つきの話です。公式ページとよくある質問(2026年10月18日確認)で確かめられた事実だけを使い、対応していないケース、自分で動く作業、費用、退会の扱い、不安の声の読み方、会社を設立すると節税になる理由の順に整理します。
マネーフォワード 会社設立のデメリットは「条件つき」で読む
マネーフォワード クラウド会社設立の公式ページ「メリット・デメリットなどが気になる方へのご案内」(更新日2025年10月23日)は、注意点として3つを挙げています。丸投げをしたい場合は登記代行プランを使う必要があること、株式会社と合同会社の設立のみに対応していること、電子定款の作成手数料5,000円がかかることです。この3つは、サービスの欠点というより、利用前に知っておく範囲の説明です。
利用者の声としては、公式ページ「利用者の評判とサービス満足度のご紹介」に、利用者1,449名を対象にした調査があります。約90%が「満足している」と評価し、約98%が電子定款を作成したと報告されています。この数字はマネーフォワード自身が実施した調査で、第三者機関のものではありません。同じページには、満足していない人の声として、定款認証にかかる時間が事前に分かるとよかったこと、オフラインでの申請が前提でオンライン申請の手助けがなかったことが挙げられています。
つまり、どの人にとって制約になるかは、設立する会社の形、手続きに割ける時間、窓口に出向けるかどうかで変わります。以降のセクションで、会社設立のデメリットとして挙がりやすい論点を、前提条件とあわせて一つずつ見ていきます。

対応していないケース:取締役会設置会社・海外居住者の役員など
会社設立に関するよくある質問「どのような会社を設立できますか?」(更新日2026年3月3日)によると、対応しているのは株式会社と合同会社です。対応していない会社として、合資会社、合名会社、NPO法人、一般社団法人、取締役会設置会社、海外に拠点を置く海外法人、海外居住者が役員や発起人になる場合、未成年者が役員や発起人になる場合、学校法人が役員や発起人になる場合、法人が代表取締役・取締役・監査役・代表社員・業務執行社員に該当する会社が挙げられています。
設立の方法についても、現物出資、資本準備金、募集設立、代理人による登記申請、ご自身で作成した定款の認証は、クラウド会社設立では対象外です。会社設立の方法として最も判断しやすい部分で、自分の会社が一つでも当てはまれば、別の方法を検討する条件になります。
ただし、同じ質問のなかで、司法書士が定款作成から登記申請まで代行する登記代行プランは、対応していないケースにも対応できる可能性があると説明され、申し込み後に司法書士から連絡があります。非対応の条件に当たるかどうかを調べるには、対応していないケースを詳しく確認する記事と、対応しないケースと誤解されやすい点を整理した記事が手がかりになります。


丸投げはできない:入力のあとに自分で動く4つの作業
公式ページは、このサービスで会社設立を進められるのは、利用者自身が画面で入力し、定款認証と法務局への登記書類の提出も行う前提だと説明しています。よくある質問「Web入力のみで完結しますか?」(更新日2023年6月26日)にも、会社設立に必要な書類は原則Web入力のみで作成できるものの、次の作業は利用者が行うと書かれています。
- 印鑑証明書や写真付きの身分証明書を用意する
- 行政書士とメールでやり取りする(電子定款の場合)
- 株式会社では、公証役場で定款を受け取る
- 法務局へ登記書類を提出する
「STEP2 登記申請」のガイド(更新日2026年3月31日)では、出力した登記書類を印刷してとじ、公証役場で受け取った定款、印鑑証明書、登録免許税を支払う現金などを持って法務局に提出する流れです。登録免許税は、株式会社なら資本金の額の1000分の7で、15万円に満たない場合は15万円、合同会社は6万円が下限です。
これらを任せたいときの選択肢が、登記代行プランです。公式ページによると、料金は40,000円(税込)で、最低額が決まっている登録免許税や定款認証費などの法定費用は別にかかり、現物出資や海外在留者が役員に含まれる場合は加算報酬が発生する可能性があります。通常は約2週間で登記申請まで進みますが、司法書士からの確認に返信がないと納期は保証されません。また、登記のあとの年金事務所・税務署などへの手続きは対応外です。自分でやる範囲を地図にした記事と、自分で詰まりやすい判断をまとめた記事も、判断の参考になります。

費用で見落としやすい:電子定款5,000円と、無料の範囲外の実費
公式のご利用料金ガイド(更新日2026年1月14日)によると、会社設立サービスの利用料金は無料です。ただし、無料なのは書類を作る部分で、次の費用は別にかかります。電子定款の作成費用は5,000円ですが、マネーフォワード クラウドの法人向け有償プラン(ひとり法人プラン、スモールビジネスプラン、ビジネスプラン。年払い・月払いは問わない)を契約している場合は、運営会社が負担します。紙の定款を使う場合は、電子定款の作成費用はかからない代わりに、印紙代4万円が必要です。
サービス内で印鑑を購入する場合は、柘(ツゲ)が4,980円、黒水牛が10,500円、チタンが33,340円で、いずれも税と送料を含む金額です。株式会社が電子公告のサービスを選ぶと、1年あたり3,980円(税抜)がかかります。
会社設立の法定費用は、ツールを使っても変わりません。株式会社の登録免許税は資本金の額の1000分の7(15万円に満たない場合は15万円)、合同会社は同じ計算で6万円が下限です。定款認証の手数料は、資本金の額などにより1万5,000円から5万円までの4段階に分かれます。無料という言葉に引きずられて総額を見誤らないよう、デメリットとして知っておく費用です。費用の全体は、デメリットと限界を詳しく書いた記事で別の観点からも確認できます。


マネーフォワード クラウド会社設立サポート「STEP2 定款の作成(作成方法の選択)」(株式会社マネーフォワード)を参照。
退会・解約したとき、登録情報と料金はどうなるか
検索候補に「退会」が出るのは、やめるときの扱いを事前に知りたい人が多いためと考えられます。公式ガイド「退会方法」(更新日2023年12月8日)に書かれている扱いは、次の4点です。
- 退会が完了すると、登録済みの情報は削除され、復旧できない
- サクセスパックの特典も使えなくなるため、使う予定なら申し込み後に退会する
- 電子公告を利用中なら、電子公告の契約も同時に解約され、情報も削除される
- 契約期間の途中で解約しても利用料金は満額発生し、日割りの精算や返金はない
これらは、契約の途中でやめる人、あるいは登記が済む前に退会してしまう人にとっての制約です。会社設立が完了して必要な書類を保存したあとにやめるなら、実害は小さくなります。有料プランの解約は、料金・プラン管理の別ガイドの手順で行い、解約は即時に反映されて取り消せません。
電子公告をやめて公告方法を変えるときは、定款の変更と変更登記が必要になる場合があり、その登録免許税は、設立時のように資本金に応じた段階的な計算ではなく、申請1件につき3万円の定額です。手順の順番は、退会と解約の手順をまとめた記事に整理しています。

設立後の税務・社会保険の手続きまでは自動化されない
公式ページ「出力できる書類一覧」によると、登記が済んだあとに使う書類として、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、給与支払事務所等の開設届出書、健康保険・厚生年金保険新規適用届などが用意されています。公式の「会社設立の流れ」では、法務局で受け取った登記事項証明書に記載された設立日をサービス上に登録すると、年金事務所や税務署に出す書類を作成できる仕組みです。
ここで制約になるのは、作成と提出が別だという点です。書類は作れても、必要な書類・提出場所・提出期限を確認して年金事務所や税務署へ届け出るのは、利用者自身の作業です。公式ページにも、提出が不要な場合もあるので各提出先に確認するよう書かれています。国税庁の案内によれば、法人設立届出書は、設立の日以後2か月以内に所轄の税務署へ提出する書類です。
この設立後の部分は、ツールの機能の優劣ではなく、どのツールを使っても人の判断が必要な領域です。社会保険の加入や決算月の決め方、役員報酬の決定時期は、会社設立の書類づくりが終わってから始まる論点で、自分で処理する時間が取れるかどうかが、実質的なデメリットの大きさを左右します。

国税庁:法人設立届出書(国税庁)を参照。
不安の声を見かけたときに確かめる4つの前提
検索では、サービス名の隣に不安を感じさせる言葉が並ぶことがあります。ただ、検索候補はその言葉で調べた人の数を反映するだけで、中身の正しさを裏付けるものではありません。当サイトは実際の利用体験を持たない第三者の解説なので、口コミを引用して善し悪しを断定することはしません。かわりに、不安の声を読むときの前提を4つ挙げます。
- いつの情報か:画面や料金は更新されます。電話相談窓口は2024年2月26日で終了しており、それ以前の記述と今の窓口は一致しません
- どの会社形態の話か:取締役会設置会社や海外居住者の役員など、公式に対応していない条件の人の不満は、制度上の制約です
- ツールの範囲か、手続きの範囲か:公証役場や法務局の待ち時間は、どのツールを使っても発生します
- 誰が出した数字か:満足度約90%も、自社調査という前提つきです
この4つで多くの声は、サービスの問題か自分の条件との相性かに仕分けられます。不安の声の具体的な論点は、誤解されやすい5つの点と向き不向きの見分け方の記事で、一つずつ公式の記載と照らしています。仕分けた結果、自分の条件が非対応や手間の大きい側に当たるなら、次のセクション以降の判断材料に進みます。

会社を設立するとなぜ節税になる?個人の税率と法人税率の違い
デメリットを調べる人が同時に気にするのが、会社設立でなぜ節税になるのかという疑問です。仕組みの一つは、税率のかかり方の違いです。国税庁のタックスアンサーNo.2260によると、所得税の税率は5%から45%の7段階で、課税される所得が増えるほど段階的に高くなります。一方、No.5759の法人税の税率では、資本金1億円以下の法人などは、所得金額のうち年800万円以下の部分が15%、年800万円を超える部分が23.2%です(令和8年4月1日現在法令等)。
ただし、節税になるとは限りません。法人にした場合、本人への役員報酬は給与所得として所得税の対象になり、会社と本人の両方で社会保険の負担が生じます。法人住民税の均等割は、所得の有無にかかわらず課されます。会社設立の登記には、株式会社で資本金の額の1000分の7(15万円に満たない場合は15万円)の登録免許税などがかかるので、設立の費用も回収する必要があります。
どの水準の利益から有利になるかは、売上、経費、役員報酬の額で変わり、一律には言えません。個人事業主と株式会社を比べる6つの軸の記事と、税理士が必要になる時期を考える記事で、判断の軸を確認できます。マネーフォワードは会社設立の書類を作る部分を担い、設立後の税務・社会保険・決算・役員報酬は、自分で進めるか専門家に任せるかを決めることになります。

まとめ:向き不向きを確かめてから会社設立を自分で進める
デメリットとして整理できたのは、対応していない会社形態や設立方法があること、入力のあとに印鑑証明書の用意・行政書士とのメール・公証役場での定款の受け取り・法務局への提出が残ること、電子定款5,000円や法定費用が無料の範囲外にあること、退会すると情報が削除され料金は日割りで戻らないことです。いずれも、公式の記載で確かめられる条件つきの制約です。
自分の条件を確かめる質問は4つです。取締役会を置くか、役員に海外居住者や法人がいるか、窓口に出向く時間があるか、設立後の税務まで自分で進められるか。このうち前の2つが当てはまるなら、設立の方法そのものを見直し、後の2つが当てはまるなら、設立後を任せる専門家を探すことになります。当サイトが紹介する会計事務所SoVaの士業伴走プランは、freee会社設立を利用する前提のサービスで、設立サポート手数料0円は顧問契約(月1.5万円〜)とあわせて依頼する場合の条件です。設立後の税務・社会保険・決算・役員報酬を任せたい人向けの選択肢として、ツールの利用と並べて検討してみてください。






